夏目漱石 『坊っちゃん』 一
Soseki Natsume Botchan
親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている.小学校に居る時分……
前へ
一
別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が
と答えた。
親類のものから西洋製のナイフを
次へ
【無鉄砲(むてっぽう)】
理非や前後を顧みず,むやみに事をすること,またはそのようにする人.むこうみず.無手っ法(むてっぽう)や無点法(むてんぽう)が正式.
【小供(こども)】
子供.作者が好んで用いる単語だが,なぜこう書くのかはよくわからない.歴史的な漢字表記移り変わ成人してなりは「子等」→「子共」→「子供」であるので,昔の表記というわけではない.「子」には「大人に対しての幼いこども」と「親の立場から見た自分や人のこども」の2つの意味がある.
鉄道運賃の「大人」と「小人(しょうにん)」の関係からすると,「小供」は大人に対してのこどもを意味していると考えることもできる.本来「子供」は「子(親からみた自分の子や人の子)」の複数形を表しており,次第に若い人々一般を指すようになり,単数の意味も表すようになった.
【腰を抜かす】
腰に衝撃を受けて,立つことができない.驚きのあまり立ち上がる気力をなくす.夢中になる.
【小使】
身の回りの雑用に従事する人.召使とか女中など.
【はすに】
ななめに.斜に(しゃに/はすに)
0 件のコメント:
コメントを投稿