Natsume Sōseki
Nihyaku-tōka(The 210th Day)
「ともかくも六時に起きて……」
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「ともかくも六時に起きて……」
「六時に起きる?」
「六時に起きて、七時半に湯から出て、八時に飯を食って、八時半に便所から出て、そうして宿を出て、十一時に
「へえ、誰が」
「僕と君がさ」
「何だか君
「なに構わない」
「ありがたい仕合せだ。まるで
「うふん。時に昼は何を食うかな。やっぱり
「饂飩はよすよ。ここいらの饂飩はまるで
「では
「蕎麦も御免だ。僕は
「じゃ何を食うつもりだい」
「何でも
「
「この際は少し変だぜ。この際た、どんな際なんだい」
「剛健な趣味を養成するための旅行だから……」
「そんな旅行なのかい。ちっとも知らなかったぜ。剛健はいいが饂飩は
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