Natsume Sōseki
Nihyaku-tōka(The 210th Day)
「どうも
前へ
「どうも
「何でござりまっす」
「何でもいいから、玉子を持って
「飲んでもいい」と圭さんは
「飲んでもいいか、それじゃ飲まなくってもいいんだ。――よすかね」
「よさなくっても
「ともかくもか、ハハハ。君ほど、ともかくもの好きな男はないね。それで、あしたになると、ともかくも饂飩を食おうと云うんだろう。――姉さん、ビールもついでに持ってくるんだ。玉子とビールだ。分ったろうね」
「ビールはござりまっせん」
「ビールがない?――君ビールはないとさ。何だか日本の領地でないような気がする。
「なければ、飲まなくっても、いいさ」と圭さんはまた泰然たる
「ビールはござりませんばってん、
「ハハハハいよいよ妙になって来た。おい君ビールでない恵比寿があるって云うんだが、その恵比寿でも飲んで見るかね」
「うん、飲んでもいい。――その恵比寿はやっぱり
「ねえ」と下女は
「じゃ、ともかくもその
「ねえ」
下女は
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